光に反応する薬を注射し新生血管だけをレーザー照射

PDT療法とは、特定の波長のレーザーだけに反応する光感受性物質を腕の静脈から注入した後、病変部に弱いレーザーを当て、新生血管をたたく方法です。

これまでは病変部に強いレーザーをあて、新生血管を焼くレーザー治療(光凝固)が行われていましたが、新生血管が中心窩(網膜の中心にあるくぼみ)に近いところにあると中心窩が同時に損傷されて、視力が更に低下する危険性が高かったため、レーザー治療は行えませんでした。

PDT治療では、新生血管が中心窩にあっても、正常な視細胞などにほとんど影響を与えずに、新生血管だけをたたくことができます。

*『光力学療法』『光線力学療法』と呼ばれる場合もあります。

 

 

光感受性物質の注射開始からレーザー照射完了まで20分。レーザー照射時に痛みはありません。

< 初回治療は2泊3日、強い光を避ける>

PDT治療で用いられる光感受性物質は、注射後に全身に行き渡ります。この薬は光に反応するので、強い日光に当たると、副作用としてやけどに似た症状が起こります。
そのため、
治療後48時間は、強い日光を避けなければならず、初回の治療時は2日の入院が必要です。
退院後も5日間はできるだけ日中の外出を避け、強い光は浴びないようにしなければなりません。

<初回治療後は3ヶ月ごとの検査>
PDT治療を行って1〜3ヶ月ほどすると、新生血管が再び生じてくることが、しばしばあります。そのような場合は、再度、PDT 治療を行います。
一般に、レーザー治療を繰り返すと、徐々に新生血管の勢いがなくなり、最終的に新生血管は再生しなくなります。
PDT 治療ができない場合、硝子体手術で新生血管を抜去する方法、黄斑部を正常な場所に移動する方法中心窩移動術などが検討される場合があります。
<治療効果を得るには早期発見が大切>
十分な治療効果を得るには、黄斑変性症の初期の段階で、適切な治療を行うことが大切です。ゆがみなどの症状に気づいたら、すぐに眼科を受診してください。
PDT療法にかかる費用>
2006年4月に保険点数改定に伴い、費用が若干変わりました。
※金額は目安です
検査や薬剤の種類で多少前後します
1割負担 2割負担 3割負担
老人 高齢 老人 高齢
治療・薬剤・検査 41,880 41,880 81,680 81,680 121,480
入院標準負担 2,080 2,080 2,080 2,080 2,080
合計金額 \43,960 \43,960 \83,760 \83,760 \123,560



医療法人社団和紘会 やなぎだ眼科医院
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